写真コンテスト
第56回(2015年)
カメラ部門 受賞作品
グランプリ
「夏の夢」
東京都板橋区 堀田 純 様
実行委員会コメント
毎年力作をお送りくださる堀田さんが望遠レンズによるボケを活かした作品に力を注ぎ始めたのは3年前の大会からでしょうか。ボケは重要な写真表現の一つですが、日本は美しいボケ表現の先進国であり、世界中で"Bokeh"という言葉が使われています。この一枚はまさにその集大成であり、とろけるような儚く美しいボケとピントが合った花火が生み出すハーモニーと立体感は、新たなる夏の夜の夢幻を我々に見せてくれました。
準グランプリ
「カルガモのように」
埼玉県さいたま市 茂木 竜一 様
実行委員会コメント
芸術玉の競演、一番手による打ち上げでしょうか。今年はこの一発を主題にした作品が両部門を通じ数多く応募されました。その中でもこの一枚は露出、構図も完璧で、特に親鳥の後を追うカルガモたちのような4色の昇小花が見事に捉えられ、尺玉のスケール感に小粋なアクセントを添えて画面を引き締めています。
タニタ賞
「南国パラダイス」
東京都荒川区 伊東 康文 様
実行委員会コメント
美しいブルーの夜空に浮かぶヤシの木、そして灼熱の太陽を思わせるトロピカルな色彩の花火。伊東さんのイマジネーションを形にする役者は揃いました。吸い込まれるように魅力的な蒼穹を表現するためプリントでご応募いただいたその作品は、審査会でもひときわ輝いていました。
「火の鳥」
東京都文京区 井上 裕由 様
実行委員会コメント
隙のない構図、完璧な露出でオープニングの打ち上げを作品に仕上げてくださった井上さん。今まさに飛び立とうとするかのように翼を広げる火の鳥。美しく精緻な幾何学模様は、彼の翼に大空を羽ばたく浮力を与える力強い上昇気流のようです。戸田市側の赤い花火も作品に生命力を吹き込んでくれました。
「赤い糸」
東京都豊島区 東 武史 様
実行委員会コメント
今年のいたばし花火大会、見どころの一つがこのレーザー光線と花火の競演でした。この作品では極力シンプルな絵作りに徹し、レーザーと花火のバランスに狙いを絞ったことが成功しています。緑のレーザー光線に対して赤い花火を一発だけ。補色で構成されたこの潔さが作品に力強さを与えています。
蒙古タンメン中本賞
「安全に美しく」
東京都練馬区 松下 祥子 様
実行委員会コメント
一般的にブルー系統の色味になりがちなナイアガラですが、ホワイトバランスの固定によりウォームな表情になり、タイトルの世界と良く調和していますね。手延べそうめんを思わせる光の一筋ひとすじがとても美しく、安全を見守る消防の方への感謝の念もひとしおです。
「ジバニャン花火と電車の光」
東京都北区 海野 誠 様
実行委員会コメント
この作品の魅力はその徹底した抽象化にあります。タイトルを見て初めて被写体に気づく方も多いのではないでしょうか。露出を切り詰めて空のキャンバスを漆黒に仕立て、そこに描く花火はただ一つ。名脇役の電車さえもひとすじの線に変えてしまう。意志と勇気で作り上げた現代アートの素晴らしい成果です。
チケットぴあ賞
「浮かれて盆踊り」
東京都中央区 升一 元吾 様
実行委員会コメント
これだけまぁるい立派な月が出ていれば、それは浮かれて踊りだすってもんです。キャッチライトの入った瞳がとても魅力的ですが、踊る指先のしなやかさもステキですね。まるで清涼飲料水のコマーシャルのような爽やかな作品。また来年も踊りに来て、思い出を作ってください。
「月も霞む夏の夜」
東京都板橋区 飯田 眞秀 様
実行委員会コメント
河川敷、高圧線の鉄塔、遠くに見える高層マンション。いたばし花火大会を演出する背景たちにお膳立てされて、おぼろ月と花火はその美を競い合います。月はやがて花火に花道をゆずり、静かに舞台を去ってゆきます。すべては美しい川面に映える無言劇です。
「和柄de花火」
千葉県松戸市 赤石 薫 様
実行委員会コメント
おぉ、これは見事な和柄ですね。よくぞこのパターンを切り取ってくださいました。自然を単純化、抽象化するのが和の意匠なのだとしたら、夜空に花を咲かさんとする芸術を写真に撮る行為の本質は?などと考え始めて迷宮入りしたほど魅力的な作品です。このまま浴衣の柄にしたい位キマッテます!
板橋のいっぴん賞
「夢のスーパートレイン」
東京都北区 福島 圭吾 様
実行委員会コメント
ぐっと落した露出により車輌のシルエットだけが花火をバックに浮かび上がり、その存在感を際立たせています。来年はぜひスローシャッターでの流し撮りにチャレンジしてみてください。車体は止まり、花火が流れたファンタスティックな画が期待できそうですから!
「届け」
東京都中央区 金光 高広 様
実行委員会コメント
この美しい花々は夜空への祈りを込めた捧げものです。見るものの心に静かに、深く沁みわたるその一瞬の美を、一つひとつの個性を、丁寧に愛情をもって写し取っているからこそ、この作品は心に訴えかけるのでしょう。落ち着いた画面構成に抑えた露出、完璧な作品です。
「石竹色の流星群」
東京都板橋区 永田 剛 様
実行委員会コメント
花火の中心から伸びる紫が花本来の石竹色、画面の端付近に広がった淡いピンクが日本の伝統色としての石竹色、でしょうか。 黄緑色の光跡と共に散らばった星も画面にリズムと奥行きを与え、シンプルな構図ならではの立体感が見事に表現されています。 ぜひ一度、拡大画面でご覧いただきたい作品です。
過去の受賞作品
第65回(2024年)
第64回(2023年)
第60回(2019年)
第59回(2018年)
第58回(2017年)
第57回(2016年)
第56回(2015年)